■治療法について■


ひとりひとりに合わせた施術を

 

 鍼や灸の刺激に対する感受性は個人差があります。少しの刺激で充分な効果がある人も少なくありません。鍼を入れる深さや時間、鍼の本数や太さなどを調節し、患者さんの身体の負担をできるだけ少なくします。基本的には皮膚に表れた反応を標的にしますので、鍼を浅く入れる方法が中心となります。また、お灸の場合は知熱灸(暖かさを感じる程度のお灸)を行いますので、熱くなく安全にお灸を受けていただけます。

 

 また当然ながら人の身体はそれぞれ違います。「この症状にはこのツボ」のような決まった施術ではなく、患者さんひとりひとり、その日の状態を丁寧に診ながら施術してゆきます。

 

 

皮膚体表に表れる身体からのメッセージ

 

 身体の健康状態は皮膚の 表面に反応として多く表れて来ます。わかりやすい例として肌荒れや吹き出物などは皆さんよく経験されることと思います。しかし当院の鍼灸治療ではもっと見た目でわかりにくい、細かく微弱な反応を治療の対象とします。それらは筋肉の状態、内臓の不具合や血行不良、神経の過剰な働きや眼、鼻、耳といった感覚器の異常など、様々な要因から生じ、主に背中から腰、首周りから肩、お腹などに確認されます。このような身体からのメッセージを指先の感覚で的確にとらえ、そこに鍼や灸を施すことで身体を改善方向に導いてゆきます。

 

 

原因はひとつではない

 

 私たちを苦しめる症状の原因は必ずしもひとつという訳ではではありません。例えば腰痛といってもその原因はたくさん考えられます。単に腰の筋肉が痛んでいる場合もありますし、内臓が原因の場合も。またストレスや体の冷え、食事や睡眠不足などの生活習慣も原因のひとつと考えられます。

 

 当院では前述した皮膚表面の反応を丁寧に観察すると共に、問診や検査などで得られた情報をもとにあらゆる視点から身体を診てゆきたいと考えます。

 

 

 

まずは症状を緩和することが第一歩

 

 鍼灸治療の効果の現れかたはケースバイケースだといえますが、鍼灸の治療効果を最大限発揮するために、継続治療をお勧めします。1回だけでスッキリ治ることもありますが、基本的には体内環境を改善し病気が治り易くすることが目的ですので、症状が緩和してゆくのを実感して頂きながら治癒に向かうのが理想と考えています。

 

 

小児はり

小児はり

 

 小児鍼(はり)は成人の鍼灸とは異なり、鍼を体に刺すことはありません。鍉鍼(ていしん)やローラー鍼、円鍼など(写真参照)を皮膚に当てたり、擦ったりして自律神経や血流を整えます。ですから全く痛くなく、安心して受けていただけます。また小児ですので少しの施術で十分効果がありますので施術時間は10分程と短くなります。